Solo Tumult

¥5,800 + TAX

ジュリアン・クリンスウィックス(b1995–)はカリフォルニアを拠点に、写真やビデオ、音楽、テキスト、ファッションなど多様な表現形態を用いて唯一無二のヴィジョンを表現・探求するアーティストです。彼はパーソナルであると同時に、シンボリックでポップな言語で現代社会を語る作品を制作しています。 ⁡ クリンスウィックスのキャリアはビデオグラファーとして始まりました。2015年、ロシアのファッションブランドGosha Rubchinskiyのビデオを撮影したのを皮切りに、ビヨンセやカニエ・ウェスト、ジェイ・Z、ヴァージル・アブロー、スティーヴ・レイシーをはじめとしたトップクリエイター、あるいはLouis VuittonやMiu Miu、MARC JACOBSなどのブランドと数々の協働を重ねてきました。MVやファッションキャンペーンといったコマーシャルな分野で特異な地位を確立する一方、短篇映画の監督や実験的なドキュメンタリーの制作、もしくは作曲までおこなうのも彼の特徴です。2018〜2019年にはグラミー賞を受賞したドキュメンタリー『Homecoming』でビヨンセやParkwood Entertainmentと協働し、活動休止からコーチェラのヘッドライナーを務めるまでのビヨンセの姿を映像作家/映像編集者/ミュージシャンとして表現しました。10代で始めたスケートボードとの関わりも深く、ヴァンズやラスベートやナイキと協働するほか、2022年にはストリートとポピュラーカルチャーにおいて最も影響力のある人物リスト「Hypebeast100」に選出されています。 ⁡ そんなクリンスウィックスは近年、パーソナルワークの制作に積極的に取り組んでいます。現代アメリカの象徴として高速道路を走るポップな色合いのセミトレーラーに焦点を当てた写真連作《BOYS GROWN TALL》(2019)はその後、深夜に走行するセミトレーラーを撮影した《NACHTWAGEN(Night Trucks)》(2022)へ続き、継続的なシリーズに発展しました。 ⁡ 本書は、クリンスウィックスの最新作《Solo Tumult》を集めた作家初の写真集です。 コマーシャルの撮影でオアフ島にある世界有数のサーフスポット、ワイメア湾を訪れたクリンスウィックスは偶然、その年最大のビッグウェーブの到来を目撃し、夢中でシャッターを切り続けました。自然と人間、静寂と動感、精神と身体。そうした相反する要素を捉えた《Solo Tumult》には、混沌のなかで調和を探そうとする人間の姿が寓話的に現れています。それは、めまぐるしい速度で回るコマーシャル空間における作家自身のステータスを示唆するものであると同時に、慌ただしい現代に暮らすわれわれの肖像でもあります。 ポップな表象のなかに重層的なメタファーを忍ばせるジュリアン・クリンスウィックスの世界をお楽しみください。
 

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