1993年、当時20代前半だったスイス人写真家のフィリップ・ミューラーは、『Sputnik』や『Forecast』といったスイスのアンダーグラウンド・カルチャーを扱う雑誌のナイトライフ・フォトグラファーとして雇われることになった。
スイス国外ではほとんど知られていないが、当時のチューリヒではレイヴシーンが急拡大していた。彼ももともとそのサブカルチャーの門外漢であったが、すぐに関わりをもつようになる。
チューリヒでのパーティーを収めた約10年分の写真は、つい最近までミューラーの両親の家にしまいこまれたまま半ば忘れ去られていたが、この度新しい写真集『120 bpm』としてまとめられることになった。そこには騒々しく、驚くほどおしゃれで、時に現実離れした全盛期のスイス・クラブシーンが記録されている。