出版社 photobook daydream ソフトカバー 297mm x 210mm. 64 ページ
2024年7月にリリースした「ウ」「ォ」「ー」by photobook daydreamはLAを拠点とするAndrew SeitzによるPhotobook daydreamによる企画、出版で、東京を拠点にし活動する写真家Tetsuta Tsurumotoの写真を扱い、製作されてい
ます。Photobook daydreamは写真集を蒐集するコレクター兼、出版社で主に日本の写真集を蒐集し、写真家とのコラボレーションも行なっています。Seitzは「コラボレーションは写真家とのビジョンのリミックス。写真家との行き
交うイメージや影響を受けたものを共有し合いながら、言葉のない会話、翻訳で失われたファイルとイメージ、未完成の交響曲」と捉え、イメージでのセッションを楽しんでいます。今回の本のタイトル「ウ」「ォ」「ー」はTetsuta
Tsurumotoが「人間は言葉でできているという。」という問いへの自身のメモから始まり、2022年に製作したハンドメイドブック超メモ「ウ」「ォ」「ー」のタイトルを使用しています。ハンドメイドブック超メモ「ウ」「ォ」「ー」
では記号的な視点や、観念的な視点からの逸脱、言葉から出発するのではなく、言語活動の浅いこどもがただ世界を見る、ような無目的な撮影行為を繰り返すこと目指し、自身のメモを写真で上書きしたり、ドローイングを行うよう
に修正液でメモの文字を消したり、偶発要素を呼び込むような野暮なハンドメイドを取り入れるなど、認識と言葉との距離を露出するためにとにかく行なってみた行為のプロセスそのものを作品として提示した本を製作しています。
タイトルである「ウ」「ォ」「ー」はそのよう行為から生まれた膨大な写真の中に映り込んでいた「WAR」という記号を見たときに改めて認識してしまった拭えない言葉の世界。自身の行為は言葉で認識してしまう私たちに取り巻く
飽和しすぎた言葉の壁をまず壊してみるところから出発する行為を行なっていると感じ、「WAR」を「ウォー」へと音に還元し解体し「ウ」「ォ」「ー」という表記になりました。今回の本はそんな言葉のない会話、イメージのセッ
ションを楽しみたいというSeitzからの誘いから始まり、音のように還元された無目的な行為から生まれた写真を彼に投げかけ受けては返すような繰り返しのプロセスから出来上がった本です。